エンバーミングとは?保存期間はどのくらい?知っておきたいメリットや注意点

公開日:2025/10/01 最終更新日:2025/11/05
エンバーミング

エンバーミングは遺体の防腐効果や消毒効果を得られる処置です。利用を検討する際は、メリットと注意点の両方を把握したうえで、しっかりと親族間で話し合いましょう。今回は、エンバーミングの概要や目的、処置が必要なケースのほか、メリット・注意点や具体的な処置の流れについても詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

そもそもエンバーミングとは

エンバーミングは遺体の処置のひとつであり、遺体の腐敗を防いで長く保存するために活用されているのが特徴です。ここでは、エンバーミングの概要について詳しく解説します。

エンバーミングの概要

エンバーミングは遺体の腐敗を防ぐことや見た目を整えることを目的として行う処置であり、阪神・淡路大震災をきっかけとして注目されるようになりました。具体的には、全身の消毒や損傷箇所の修復などの処置を行います。

エンバーミングには殺菌効果があるため遺体の腐敗を防いで長く保存できるようになるほか、遺体から人への感染を防ぐことにもつながります。遺体は通常ドライアイスを使って保存しますが、エンバーミングの処置を施せば常温での保存が可能です。

エンバーミングの目的

エンバーミングの主な目的には、腐敗を遅らせて状態を保つこと・感染を予防すること・常温での保存を可能とすることの3つが挙げられます。エンバーミング処置を施すことで、通常よりも長く遺体を保存することが可能です。

また、除菌効果・殺菌効果により、遺族や葬儀の参列者が遺体に触れても感染する心配はありません。さらに、故人の損傷の程度が強い場合でもエンバーミングの処置を施すことで生前の元気な姿や肌色に近づけられるほか、ドライアイスを使えないシーンでも遺体を保存できる点が魅力です。

エンバーミングとエンゼルケア・湯灌との違い

遺体の処置として広く知られているものにはエンゼルケアがあります。エンゼルケアは亡くなった直後に行う処置であり、医療器具の取り外しや清拭を行うのが基本です。

また、湯灌はシャワーなどを利用して遺体を清め、髭剃りや死化粧を行う儀式を指します。エンゼルケア・湯灌はどちらも遺体の見た目を整えることを目的とした処置であり、腐敗を防止する効果などは期待できません。

対して、エンバーミングは遺体に防腐処置を行うのも目的のひとつであり、遺体を生前の姿にできるだけ近い状態を長く保てるのが大きなメリットです。

エンバーミングの保存期間とかかる費用

エンバーミングは通常の遺体保存方法と比較して、保存可能期間が長い点が特徴です。ここでは、エンバーミングで遺体を保存できる期間や処置にかかる費用について詳しく解説します。

遺体の保存期間

遺体にエンバーミングの処置を施せば、10〜14日間ほどは生前に近い状態のままで保存することが可能です。また、常温での保存が可能となるほか、ドライアイスでの保存時のような黒ずみなどが見られる心配もありません。

費用相場

エンバーミングはどの依頼先を選択しても金額はほとんど変わらないでしょう。基本的には15〜25万円程度が相場となりますが、遺体の状態により修復の工程で複雑な処置が必要となる場合には、追加料金が発生するケースもあります。

また、エンバーミングセンターの立地によっては搬送費用がかさむこともあるため、事前に料金を確認してみましょう。

エンバーミングが必要なケース

エンバーミングは必ずしも必要な処置ではないものの、遺体の状態や状況により、通常の処置では足りない場合に行われます。ここでは、エンバーミングの処置が必要とされるケースの例について詳しく解説します。

長い闘病・療養期間を経たご逝去の場合

闘病や長期の療養を経てご逝去された場合、点滴・穿刺痕、むくみややせ細り、皮膚の乾燥・床ずれなど、体表の変化が目立つことがあります。エンバーミングにより体内の衛生管理と保全を行い、必要に応じて修復・整容を施すことで、生前に近い穏やかな表情に整えることが可能です。通夜・告別式まで日程が延びる際も、状態を安定的に保てます。

事故などで遺体の状態が悪い場合

事故や災害により死亡した場合、顔や身体が激しく損傷することもあるでしょう。とくに顔の損傷が激しいケースでは、損傷箇所の修復により遺族が強いショックを受けるのを防ぐことが可能です。

また、エンバーミングでは血液と防腐剤を入れ替える処置を行います。使用する防腐剤は着色されているため、生前の見た目に近い自然な血色を再現できます。

火葬まで数日以上にわたり遺体を保存する場合

通常は故人の死亡から2〜3日後に火葬を行いますが、予約の空き枠や死亡場所などの関係から、火葬まで1週間程度かかるケースも珍しくありません。ドライアイスでの保存では腐敗や黒ずみが進む可能性が高いため、遺体を数日以上保存する必要がある場合にはエンバーミングを選択するのが賢明です。

エンバーミングの処置を施せば常温での保存が可能となるため、とくに火葬場の予約が取りづらい都市部では利用者が増加しています。

遺体を空輸する場合

航空機内では、遺体の空輸であってもドライアイスの持ち込みが不可となっています。エンバーミングは、日本で亡くなった人を海外に搬送する・海外で亡くなった人を日本に空輸するといった場合にも有効です。

エンバーミングのメリット

エンバーミングをすることにはさまざまなメリットがあります。エンバーミングの具体的なメリットは以下の5つです。

腐敗臭を防げる

エンバーミングには除菌・殺菌効果があり、遺体が腐敗するのを遅らせることが可能です。2週間程度は雑菌が繁殖しないことから、腐敗臭を防止する効果が期待できます。

生前に近い姿で見送れる

エンバーミングを行うことで、生前の元気な姿に近い状態で故人とお別れできます。遺族の精神的なショックを緩和できるほか、小さな子どもの遺体への恐怖感を軽減することも可能です。

遺体を常温で保存できる

エンバーミングを行うと遺体を常温で保存できるため、ドライアイスが不要となります。ドライアイスを利用する場合は日数×1万円程度の費用がかかります。

当然エンバーミングにも費用はかかりますが、長期間にわたってドライアイスを使用することを考えると、エンバーミングを行うことでトータルのコストを抑えられるケースも少なくありません。

また、ドライアイスでは腐敗を完全に防止することは難しいため衛生面に不安があるほか、黒ずみや腐敗臭などが発生する可能性もあります。エンバーミングの処置をすれば、常温で衛生的に遺体を保存できます。

最後の時間をゆっくりと過ごせる

エンバーミングを行うと約2週間遺体を保存できるため、葬儀や火葬の日程を焦って設定する必要がありません。

とくに遠方に家族や親族が住んでいる場合は、故人との対面までにある程度の日数を要するケースもあるでしょう。エンバーミングの処置を行えば、焦らずゆっくりとお別れすることが可能です。

不安なく遺体に触れられる

エンバーミングでは遺体の全身消毒・殺菌を行うため、遺族や参列者が遺体に触れても感染症が移る心配はありません。インフルエンザやコロナ、結核、敗血症などのさまざまなウイルスを殺菌することが可能であり、安心して故人とスキンシップを取れるのがうれしいポイントです。

エンバーミングの注意点

エンバーミングにはさまざまなメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。

注意点をしっかりと把握し、不安な点があれば依頼前に業者に確認しておきましょう。エンバーミングの注意点について詳しく解説します。

遺体にメスが入る

エンバーミングを行う際は、処置の過程で遺体にメスが入ります。

処置により得られるメリットはさまざまですが、故人の身体を傷つけたくないと感じる人もいるでしょう。依頼前に処置の内容や方法をしっかりと確認し、親族間で話し合って検討しましょう。

処置中の立ち会いはできない

エンバーミングの際はエンバーミングセンターにて処置を行うため、立ち会いによる処置の確認はできません。処置内容について詳しく把握したい場合には、不明点を質問するなどして納得したうえで依頼しましょう。

依頼先の選定に注意する

エンバーミングはエンバーミングセンターで行いますが、中には葬儀社がエンバーミングセンターを所有しているケースもあります。処置内容や料金はどの依頼先を選択しても大きく変わりませんが、業者によって対応時間や実績、手続きのサポート範囲などが異なる場合も少なくありません。

数多くの処置実績がある業者を利用したい・手厚いサポートを受けたい・24時間いつでもスピーディーに対応してほしいといった希望がある場合には、依頼先の業者は慎重に選択するのがよいでしょう。

エンバーミングできない場合もある

エンバーミングはどのような遺体でも常に対応できるものではなく、腐敗が進行しており皮膚の状態が悪い場合・移動制限のある感染症で亡くなった場合には処置ができません。まずは業者に処置が可能であるかどうかを確認しましょう。

費用がかかる

エンバーミングには15〜25万円程度の費用がかかりますが、日本国内ではまだ広く普及しているといえる状態ではないため、基本的に葬儀費用にエンバーミング料金は含まれていません。数十万〜数百万円の葬儀費用にエンバーミングの費用が上乗せされると、金銭面での負担が大きくなることも頭に入れておきましょう。

エンバーミングの流れ

エンバーミングの具体的な流れについて詳しく解説します。

依頼・書類準備

まずは葬儀社にエンバーミングの依頼が可能であるかを確認し、依頼可能な場合は必要書類を準備しましょう。また、故人の生前の写真や、処置後に着せたい洋服なども用意しておくとスムーズです。

遺体の搬送

遺体をエンバーミングセンターに搬送します。エンバーミングの費用に搬送料は含まれておらず、遠方の場合は搬送料がかさむ場合もあるため注意しましょう。

エンバーミング処置

エンバーミングセンターで消毒や防腐剤の注入などの処置をします。損傷の修復まで終えたら、全身を洗浄して処置は終了です。

着替え・死に化粧

処置後は着替えと死に化粧をして、自宅もしくは斎場に搬送します。遺族が着替えを準備している場合には、ここで用意した洋服を着せてもらえます。

まとめ

今回はエンバーミングについて、概要や目的、処置が必要となるケースのほか、メリットや注意点などについても詳しく解説しました。エンバーミングは遺体に行う処置のひとつであり、遺体の腐敗防止・約14日間の保存が可能となります。費用は15〜25万円が相場です。エンバーミングを行うことで、常温で長く遺体を保存でき、故人との最後の時間をゆっくりと過ごせます。また、殺菌効果によって感染症のリスクがなくなるため、遺族や参列者が安心して遺体に触れられるのもうれしいポイントです。ただし、注意点として、遺体にメスが入ることや処置中の立ち会いができないこと、依頼先の選定に注意する必要があることなどを押さえておきましょう。エンバーミングの依頼を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

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ドライアイス無料
※プラン規定の安置日数分

※プランに含まれる(量などの詳細不明)

※プランに含まれる(量などの詳細不明)
安置料無料
※プラン規定の安置日数分

※プラン規定の安置日数分

※プラン規定の安置日数分
安置日数無制限×××
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